沖縄ヘイトを考える会

沖縄ヘイトとフェイクニュースを検証

「ニュース女子」の共同通信版、沖縄ヘイト記事『特集 あふれるフェイク、真実はどこ?』の責任の所在はどこ!?

共同通信の卑劣な沖縄ヘイト記事

なんでしょうか、この共同通信の記事は。

 

2016年7月10日の参議院選挙で島尻安伊子沖縄担当大臣が大差で落選したその9時間後、選挙結果を愚弄するように政府は一斉に機動隊を高江に送りこみ、ヘリパット建設を強行した。老朽化し使われてもいなかった北部訓練場のヘリパットの代わりに新設するヘリパットは、高江の集落をぐるりと取り囲むオスプレイ対応のヘリパット。当然、反対する県民に対して、怒涛のようなデマと沖縄ヘイトが展開されました。

 

その典型的な事件となったのが、2017年1月2日に東京MXが放映したDHC TV 政策の「ニュース女子」沖縄特集。番組には依田啓二我那覇真子が登場し、悪質にゆがめられた情報に基づき、反対派は「テロリストみたい」だ、「日当をもらって」、「何らかの組織から雇われているのか」等が多く語られた。

 

そのさなか、2017年7月7日、共同通信が、「フェイクニュース検証」記事をだした。その長文記事は、いくつもの沖縄デマとヘイトの発信源となっている我那覇真子や依田啓二にのみ取材した、まさにニュース女子」の共同通信だった。

 

web.archive.org

 

共同通信の沖縄ヘイト記事に関する質問状

それに対して、「沖縄ヘイトを考える有志一同」は共同通信にこのような質問状を送った。

 

一般社団法人共同通信社 社長 福山正喜 殿 
統合編集本部長、編集、ビジュアル報道担当 近藤順夫 殿

         平成29年8月21日
         沖縄ヘイトを考える有志一同
         代 表  東 恩 納 亮 

質 問 状

前略

 我々は、市民の立場から、沖縄差別の是正及び解消を目指し、日本のジャーナリズムの在り方について研究及び提言を行う「沖縄ヘイトを考える有志一同」と申します。

さて、去る7月7日午後4時に御社の公式サイト「47NEWS」に、松村圭記者の署名記事『【特集】あふれるフェイク、真実はどこ?~「報道しない自由」の壁~』(以下、「本記事」という)が掲載されました。

本記事の掲載は、以下の理由から、報道機関のあるべき姿から逸脱しており、問題であると考えます。

 

【本記事の問題点】

1. 根拠のない印象付け

 まず、松村圭記者は本記事冒頭で、「日本でも、インターネットではデマや真偽不明の情報が拡散する状況が指摘され、大手紙や地上波テレビといった既存メディアの信頼性も大きく揺らいでいる。『事実(ファクト)』『真実』はどこにあるのか」と書き出し、インターネット上のデマ情報と、新聞やテレビなどの報道があたかも同程度に信頼性を欠くものであるかのような根拠のない印象づけを行っています。

 

2. 記事の短絡性

 また、国連人権理事会における、「沖縄でも地元住民の人権と表現の自由が外から来た基地反対活動家や偏向したメディアに脅かされている」との我那覇真子氏の発言と、「日本政府は市民を弾圧し暴力的に排除している」との山城博治氏の発言を並べ、「どちらが本当なのか」と疑問を呈する一方で、その発言内容の検証には踏み込んでいません。

 

 その上でさらに、「大半のメディアは山城議長の訴えに紙面を割いた。沖縄の基地問題に関する報道では、反対派の立場により軸足を置くというのが、既存メディアのスタンスとなっていることは否めない」として、既存メディアの報道姿勢が片方の側に偏っていると短絡的に結論づけ、そのスタンスを暗に批判しています。

 さらに、「▽情報操作」という見出しをつけた段落では、「主流メディアは自分たちの立場に不都合なことは報道しない」「情報操作はもう通用しない」といった我那覇氏の言葉を紹介し、主要メディアの報道が情報操作であり、引いては山城氏の発言が情報操作の結果肯定的に報道されているかのように論じています。

 

3. 選定人物の偏向

 本記事は、末尾において「民宿経営者、依田啓示さん」のコメントを紹介しています。今年1月2日に東京メトロポリタンテレビジョン(MXテレビ)が放送した番組「ニュース女子」は、沖縄県の米軍基地反対運動を「テロリストみたい」などと一方的な立場から取り上げ、問題になりました。依田氏はこの番組に出演し、「反対派が救急車を止めた」と語った人物です。(参考資料①、②、③)

 

 さらに、前述の我那覇氏は2月24日、「ニュース女子」への批判に反論する記者会見を日本プレスセンターで開いています(参考資料④)。この中で我那覇氏は「どうしても言及しなければならない問題点を提示させていただきます」として、「高江騒動の折、常駐する約100名程度の反対活動家のうち、約30名が在日朝鮮人と言われています」「その実態を現地に入り取材した研究者は、この一連の反対活動を分析し、彼らの活動の背景に北朝鮮指導部の思想が絡んでいるとすれば重大な主権侵害に当たるし、大胆で組織的なスパイ活動とも言えるとレポートしております」などと発言しています。

 しかし、ここに登場する「研究者」である篠原章氏は、インターネットニュースに出演した際に、「そういう話を2人ぐらいから聞いた」「ファクトがあるかないか最終的に分からない」と証言しています。(参考資料⑤)

 

 また、本記事は、自民党衆議院議員長尾敬氏のデービッド・ケイ国連特別報告者への批判を紹介しております。

 長尾敬衆院議員は2015年6月25日に自民党本部で開催された勉強会において、「沖縄の特殊なメディア構造を作ったのは戦後保守の堕落だ。沖縄のゆがんだ世論を正しい方向に持っていくためには、どのようなアクションを起こすか。左翼勢力に完全に乗っ取られているなか、大事な論点だ」と発言し、党から厳重注意処分を受けました。その後も、ツイッター辺野古移設に反対する市民運動について、「反社会的行動」とする主張を繰り返しています。(参考資料⑥)

 

 本記事は、これらの人物をことさらに取り上げて偏向した主張を伝える内容となっており、極端にバランスを欠いていると言わざるを得ません。

 

4. 報道機関の在り方からの逸脱

 御社の「編集綱領・記者活動の指針」には、「日々のニュース活動を通じて人々の知る権利に応えることが、平和で民主的な社会を支える。この重い責任を自覚して、積極果敢に真実を追求、権力を監視して人権を守る」と記されています。

 また、その基本姿勢においては、「客観的事実に基づく公正な報道に徹し、多様な意見や価値観を尊重する。社会的弱者の視点を大切にする。事実の持つ重みを忘れず、取材を尽くす。粘り強い継続取材や調査報道、綿密な分析によって事象の本質に迫る」とあります。併せて、「人権を尊重し、差別を助長しない」とも明記されています。

 米軍基地問題に関しては様々な考え方があり、何が正しく何が間違っていると一概には言えない側面があるものの、本記事は、沖縄の世論調査や選挙結果などを含めた社会の動きを踏まえず、「基地賛成派」「基地反対派」という狭いとらえ方でしか書かれていません。これは、到底「綿密な分析によって事象の本質に迫る」ものとは言えません。例えば、現在、沖縄では基地賛成・反対にかかわらず「県外移設」を求める声があり、本土でも「沖縄差別をなくすため」として基地の引き取り運動に取り組む人たちが出てきました。日本全体で負担について議論し、問題の解決を目指す方向性については一切触れず、辺野古移設に賛成する人たちの声のみを取り上げることは、それ自体が「情報操作」であり、沖縄差別を助長する「沖縄ヘイト」です。

 

 メディアに身を置きながら、自身の所属する媒体を利用して「既存メディア批判」を行い、それによって、辺野古移設推進の主張を代弁するような記事を書くことは、御社の編集綱領・記者活動の指針及び報道機関の在り方から著しく逸脱するものであると考えます。

 

【当会の所見】

近年、インターネットを中心に、事実無根のうわさが拡散する事例や“フェイクニュース”という、あたかも取材に基づいた公正な報道であるかのように偽装した意図的な嘘やデマが散見されるようになりました。

 

 辺野古反対の姿勢を打ち出している沖縄県の翁長知事については、「娘が中国に留学し、中国共産党の幹部と結婚」といったデマが流れ、拡散を続けています(参考資料⑦)。翁長知事は県議会でネット上の風説を否定する答弁をしています(参考資料⑧)。

 

 日本における“フェイクニュース”としては、前述したMXテレビの番組『ニュース女子』がその内容の問題の大きさで話題となりました。辛淑玉氏が共同代表を務める人権団体「のりこえねっと」は、同番組で反対運動に資金を供与しているとのデマを放送されたとして、放送倫理・番組向上機構BPO)に申し立てを行ったところ、BPO放送倫理検証委員会は2月に審議入りを決め、放送人権委員会でも審理入りしております。しかし、本記事はそうした経緯はもとより番組の内容にも一切触れていません。

 

 松村圭記者が一見公平を装って「フェイク」を問うような体裁を取りながら本記事に登場させているのは、この『ニュース女子』の出演者ら、あるいはそれに賛同するイデオロギーの政治家のみです。ここに、記事の偏向性が端的に表れています。

 

 今年5月に琉球新報が行った沖縄県民の世論調査では、普天間飛行場辺野古移設に反対する声が74%に上りました。国政選挙でもすべての選挙区で辺野古移設反対の候補者が当選しています。そのような民主主義の「前提」となる事実が、記事中ではまったく示されていません。

 このため、あたかもマスメディアが一方的に基地反対へ世論を誘導しているかのような印象を与える内容になっています。松村記者は、沖縄県民の世論を見誤っているか、あるいは特定の主張に身を寄せて記事を書いているのではないかと疑わざるを得ません。

 本記事は、沖縄の米軍基地問題をめぐるフェイクニュースの動向やその真偽について真摯に分析する内容にはなっておらず、逆にフェイクニュースを拡散する意図を巧妙に隠した上で書かれたものであると考えます。

 

 本記事は、報道機関としての客観性や責任意識を欠いた悪質な記事であり、結果的に米軍基地問題の本質を見誤らせ、いわゆる「沖縄ヘイト」に加担する内容となっています。

 本記事に登場する我那覇真子氏、長尾敬氏、依田啓示氏の3人は、インターネットなどを通じて「沖縄のメディアは左翼勢力に乗っ取られている」「基地反対派は北朝鮮の意向を受けて活動している」といった発言を繰り返している人物です。そうした人物の根拠に乏しい主張のみをことさらに取り上げたこの記事は、やはりそれ自体がフェイクニュースであると断じざるを得ず、その有害性は社会的に看過できないものです。

 つきましては、本記事の削除を求めるとともに、本記事が配信された経緯や御社の姿勢を知りたく、今回、質問状を出させていただきました。

 

ご多忙中とは存じますが、ご回答のほど、よろしくお願いいたします。

 

【質問の要旨】

 

(1)当会の所見に対する、御社の見解を教えてください。記事の削除、訂正の必要がないという場合は、その論拠を示してください。

 

(2)松村記者の今回の記事について、社内のコンセンサスやチェックがあったのかを教えてください。あったとしたら、どの部署のどのような役職の方が、どういった判断をされたのかを含め、記事の配信についての経緯を教えていただけたら幸いです。コンセンサスやチェックがなかったとしたら、その原因について教えてください。

 

(3)記事の削除、訂正あるいは、今回の記事内容を検証する記事の配信などを含めて、今後の対応について教えてください。

 

(4)ネット配信されたほかの記事についても、「編集綱領・記者活動の指針」に照らして検証してほしいと思います。例えば、松村記者は慰安婦問題に関しても今回と同様に特定の考え方を代弁するような記事を配信しています。御社の考えをお聞かせください。

以 上

 なお、回答は9月30日までにお願いいたします。

 

  〔回答書送付先〕
      弁護士 〇 〇 〇 〇 

 

(参考資料)
① http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/79474
ニュース女子」に関する沖縄タイムス社説(2017年1月12日) 
② https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-426400.html
ニュース女子」に関する琉球新報社説(2017年1月13日)

③ http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/88556
ニュース女子」続編も含めた沖縄タイムス検証記事(2017年3月15日)

④ https://youtu.be/z0UY6e1-hxw
我那覇真子氏記者会見の映像(2017年2月25日配信)

⑤ https://www.youtube.com/watch?v=w-PfuVRbuvU
那覇氏発言に関する検証映像(2017年3月31日配信)

⑥ https://ryukyushimpo.jp/news/prentry-245360.html
長尾敬氏に関する琉球新報記事(2015年7月7日)

⑦ https://mainichi.jp/articles/20170523/k00/00m/040/054000c
ネット風説に関する毎日新聞記事(2017年5月22日)

⑧ https://ryukyushimpo.jp/news/prentry-250046.html
翁長知事の県議会答弁に関する琉球新報記事(2015年10月6日)

 

共同通信からの回答が無責任すぎる

 

共同通信からの回答はこちら。

 

f:id:freeokinawa:20171015183719p:plain

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(1)当会の所見に対する、御社の見解を教えてください。記事の削除、訂正の必要がないという場合は、その論拠を示してください。

⇨ 事実関係に誤りはなし

ヘイトの意図はなし


(2)松村記者の今回の記事について、社内のコンセンサスやチェックがあったのかを教えてください。あったとしたら、どの部署のどのような役職の方が、どういった判断をされたのかを含め、記事の配信についての経緯を教えていただけたら幸いです。コンセンサスやチェックがなかったとしたら、その原因について教えてください。

⇨ 回答を控えさせていただく

(3)記事の削除、訂正あるいは、今回の記事内容を検証する記事の配信などを含めて、今後の対応について教えてください。

⇨ 参考にさせていただく

(4)ネット配信されたほかの記事についても、「編集綱領・記者活動の指針」に照らして検証してほしいと思います。例えば、松村記者は慰安婦問題に関しても今回と同様に特定の考え方を代弁するような記事を配信しています。御社の考えをお聞かせください。

⇨ 返答無し

 

共同通信版、沖縄ヘイト記事『特集 あふれるフェイク、真実はどこ?』の責任の所在はいったいどこですか。 

 

資料・共同通信の沖縄ヘイト記事「【特集】あふれるフェイク、真実はどこ?」

共同通信版の沖縄ヘイト記事「 【特集】あふれるフェイク、真実はどこ? 「報道しない自由」の壁」を以下に記録しておきます。

 

【特集】あふれるフェイク、真実はどこ? 「報道しない自由」の壁

共同通信

2017/7/7 16:00 10/26 18:06 updated

 

 「フェイク(偽)ニュース」「ポスト・トゥルース(真実後)」といった言葉が叫ばれている。大方のメディアの予測に反しトランプ氏が勝利した昨年の米大統領選のころから使われ出した。日本でも、インターネットではデマや真偽不明の情報が拡散する状況が指摘され、大手紙や地上波テレビといった既存メディアの信頼性も大きく揺らいでいる。「事実(ファクト)」、「真実」はどこにあるのか。

 

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記者会見する「沖縄の真実を伝える会」の我那覇真子代表(右)と、依田啓示さん=6月、東京都内

 

 ▽二つの沖縄

 6月中旬、スイス・ジュネーブで開催されていた国連人権理事会で、沖縄の反米軍基地運動に関して、2人の日本人が正反対の主張を行った。

 

 14日、「沖縄の真実を伝える会」代表でネットニュースのキャスターを務める我那覇真子さん(27)は「沖縄では地元住民の人権と表現の自由が外から来た基地反対活動家や偏向したメディアに脅かされている」とスピーチ。翌日は「沖縄平和運動センター」の山城博治議長(64)が「日本政府は(反基地活動を行っている)市民を弾圧し暴力的に排除」していると訴えた。

 

 どちらが本当なのか。我那覇さんの主張は、ネットや一部の新聞が伝えたがごく少数。大半のメディアは山城議長の訴えに紙面を割いた。沖縄の基地問題に関する報道では、反対派の立場により軸足を置くというのが、既存メディアのスタンスとなっていることは否めない。

 

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 スイス・ジュネーブでのイベントで発言する「沖縄平和運動センター」の山城博治議長=6月(共同)

 

 ▽情報操作

 反基地の抗議活動が一部で過激になっている面があるのは事実だ。警察庁は、反基地運動に過激派が入り込んでいることを確認しており、公務執行妨害などで数十人の逮捕者が出ている。ネットでは、山城議長とされる人物らが「抗議」と称し沖縄防衛局職員を暴力的に扱う映像が出回っている。(注・幸福の科学が作成し拡散した動画)

 

 ネットが普及する以前、大手メディアが伝えたことが「真実」として流通する時代が長く続いた。しかし我那覇さんは「主流メディアは、自分たちの立場に不都合なことは報道しない」と話し、「報道しない自由」と呼ばれる問題を指摘。「でも、今は個人がリアルタイムで、生の情報を発信し対抗できる。情報操作はもう通用しない」と言い切った。

 

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自民党の長尾敬衆院議員(左)と、6月の国連人権理事会で演説するデービッド・ケイ国連特別報告者(共同)

 

 ▽違和感

 13日には、デービッド・ケイ国連特別報告者が日本の言論と表現の自由に関して演説。同氏は、日本の報道が特定秘密保護法などの影響で萎縮している可能性に言及、沖縄の反基地デモの規制についても問題視した。

 

 衆院議員の長尾敬氏(自民党)=54=は有志議員数人と共に、ケイ氏が6月上旬に来日した際に一時間半近くにわたって面会、特定秘密保護法の詳細や沖縄の法執行の現状などを説明した。ケイ氏は、日本は言論・表現の自由が高いレベルで保障されていると評価していたという。しかし国連では厳しい日本批判。長尾氏は「私への発言と報告書の文章のあまりの乖離に強い違和感を覚える」と話した。

 

 面談の中では、ケイ氏は沖縄に行ったことがないことも判明。長尾氏は「現地調査をしていないなんて。どなたかの意見をそのまま書いたということでしょう」とケイ氏の調査手法に疑問を呈した。(長尾たかしの沖縄ヘイトとデマツイートは有名。2015年、沖縄デマで当時の谷垣幹事長に厳重注意を受けるも、まったく懲りてない。 長尾たかしの沖縄ヘイト:まとめ - Togetter )

 

 ある特定勢力が、特別報告者に自分たちの意見を吹き込み、国連で発表させる。その「実績」を国内に増幅して伝え、自分たちの活動を展開する―。長尾氏は背後にこうした構図があるのではとの疑念を抱く。「ある意味、ケイ氏ら特別報告者は利用されている」。

 

 ▽取捨選択

 6月下旬、東京・千代田区で「ファクトチェック・イニシアティブ」発足の記者会見が開かれた。発起人で事務局を運営する日本報道検証機構楊井人文代表(37)は「ファクトチェックをジャーナリズムの重要な役割と位置づけ推進し、誤った情報が広がるのを防ぐ」と趣旨を語った。

 ただ、我那覇さんが指摘する「報道しない自由」への対処にはなかなか踏み込めない。楊井氏は「偏った情報の取捨選択により全体像がゆがめられるケースがあることを、われわれは経験上知っている」としつつ「どこまでが(各メディアの)編集権の自由で、どこからが逸脱か。非常に難しい問題で(線引きは)慎重に検討しなければならない」と述べるにとどめた。

 

 ▽危険

 ケイ氏の懸念をよそにメディアの政府批判は旺盛だ。それより最近は、立場を問わずメディア各社の報道内容が一方向に傾き「事実報道」なのか「主張」なのかがあいまいになっている、との指摘がネットなどを中心に増えている。

 

 地元住民として反基地活動の実態を訴えたいとジュネーブを訪れた沖縄県東村の民宿経営者、依田啓示さん(43)は「きっちり半分ずつでなくてもいい。賛否両論を伝え、読者・視聴者が判断できる報道をしてほしい」と注文。「(批判に耳を傾けず自説を一方的に押しつける)トランプ氏のような指導者が出てきた責任の一端は、そうした報道をしてこなかったメディアにもある。沖縄の報道を見ていると、日本にも同じような危険があると感じる」と話した。(共同通信=松村圭)

 

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togetter.co

 

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